歯科医院のマニュアルを動画で撮影する
歯科医院でマニュアルを拝見する機会があります。多くは印刷されて冊子に綴じられています。更新されずに実態にそぐわない内容も散見されます。診療は回っていますから困りません。ただ、スタッフが入れかわると難儀します。新人さんがマニュアルを読むと実態と違っていたり、理解できなかったりするようです。
そこで、肝になる作業は動画で撮影したらどうでしょうか? というお話です。
例えば
- 洗浄や滅菌などのバックヤード
- チェア周辺の清掃
- 患者さんの誘導と問診
などです。これらのワークフローはおおむね一定していますし、業務水準は安定していなければなりません。ワークフローが頻繁に変更されたり、習熟レベルが違っていたら困ります。
動画をおすすめする理由は
- スマートフォンで撮影できる
- 作成に手間がかからない
- わかりやすい
からです。歯科医院の現場には、パソコンやソフトウェアの操作が未熟な方もいらっしゃいます。レセコンや歯科用ソフトウェアを操作できていますが。Office系や業務効率化のアプリケーションには不慣れなようです。どうしても必要でありませんから、これらの習得は後回しになります。
ペーパーレスにしづらい環境
現場はペーパーレスにしづらい状態です。業務の性質が紙を必要とするからでしょう。環境がパソコンやアプリケーションの習得を妨げているとしたら仕方ありません。パソコンやソフトウェアの操作と診療業務の相関関係は低いと思います。そういう状況でも
- スタッフの入れ替わり
- 新しい機器や材料の導入
- 既存のワークフローの見直し
の際に、業務が停滞せずに業務の水準が安定していて、無駄の有無を検証できる手段として、動画で記録して整理してみてはいかがでしょうか?
ペーパーレスにしてもダメなケース
クライアントの歯科医院は、Evernoteにマニュアルを保存しています。更新しやすく、どの端末からでもアクセスできからです。ノートを作成するときに
- タイトルの書式を決める
- 文章は短く画像を多めに使う
- キーワードを設定する
をルールにしています。書式を一定にすれば入力は手間取りません。画像はドラッグ・アンド・ドロップで配置します。見栄えは凝らずに文章+画像の繰り返し。別に資料が必要な場合、PDF化して添付します。一方で課題は残っています。
- まずマニュアルをみる
- わかりやすく表現する
- 読みやすくする
背景には
- 紙媒体のほうがアクセスしやすい
- 理解できない
- 読まない
という難題がふりかかってきています。
Evernoteに保存すれば、検索しやすく、いつでもどこからでもアクセスできると想定していました。ところが、
- 検索しない
- 画面を上から下までスクロールして該当の項目を探す
わけです。これには驚きました。複数の原因が挙げられるでしょうし、個人の能力にも左右されます。パソコンを操作しない人たちが多くなってきておりこの傾向は顕著です。でも現場では当然の感覚です。診療中に端末を取り出して不慣れなアプリケーションを起動して操作したくありません。印刷された紙を引っ張り出してペラペラめくるほうが断然はやいです。
小規模の歯科医院ですと、マニュアルの見栄えや情報の密度に凝っても、それに見合う効果は得にくいでしょう。紙媒体の特質と現場の様態を吟味して、
- 紙媒体にするワーフフロー
- 動画で保存するワークフロー
に分別して、
- すばやく見られる
- わかりやすい
- 更新しやすい
- 理想: ワークフローを徹底的に見直すために使える
マニュアルを作成してみてください。